【チェスもボードゲーム!】
ボードゲーマーの雑学、今回はボビー・フィッシャーというチェスプレイヤーに焦点をあてた映画のご紹介!「勝つ手は39通りもあったのに……」こと星野☆船長であります!(「ライチ光クラブ」ゼラの台詞から)
目次
ボビー・フィッシャーって誰?
ボビー・フィッシャーについて羽生名人に聞いたら「チェス界のモーツァルト」と答えるそうです。
モーツァルトもとても天才肌の音楽家なので、この例えなら音楽好き、クラシック好きな人はピンと来る人は結構いるかもですね。魅力あふれる天才気質のチェスプレイヤーです。
チェスでは最強のコマのクイーンを犠牲にして勝利するという、あしたのジョーのノーガード戦法のような奇策を使う人……私生活もぶっ飛んでいてチェスのチャンピオンになってから失踪してしまったり、極端な発言のあるタイプ……チェスがなかったら、本当にただの変な人で終わっていたのかも?と思うような、奇人変人の類です(ちっとも褒めてない風)
モーツァルトも楽曲は素晴らしいのに残した手紙がひどすぎたり、ギャンブラーで身を破滅させた人でもあるので、共通点は多いのかもしれません。
映像や写真が残っている現代の天才で、たくさんの人を魅了したチェスプレイヤーなので、映画にもなっています。
今回紹介するのは船長が最初にボビー・フィッシャーを知った映画です。
紹介の前に……映画が好きで語りたいという方にオススメのゲームがあります!

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基本情報
タイトル | 完全なるチェックメイト |
原題 | Pawn Sacrifice |
公開 | 2014年 |
監督 | エドワード・ズウィック (ラスト・サムライなど) |
キャッチコピー | それは、世界が震えた<神の一手> |
続編 | なし |
Pawn Sacrificeって原題がかっこいいな……邦題の完全なるチェックメイトも、どことなく中二病っぽい感じがします。
主演はトビー・マグワイア……2000年代スパイダーマンの人ですね。トビー・マグワイアもかっこいいですが、そもそもボビー・フィッシャー自体がイケメンです。

三行あらすじ
- IQ187!異能の天才(奇行あり)が米ソのチェス代理戦争に挑む
- 狂気はチェスに潜む!頂点に立つ者は音が気になる!
- 絶対王者に繰り出される神の一手……実話を基にした映画です!
変な天才が出てくる作品は多いですが、地で行くのがボビー・フィッシャーなのです。言動や行動だけを追いかけると、ただの危なっかしい人にしか見えません。映画の中でも何度もそんな場面が出てくるし、大事な対局を放り出すという厄介な性質も披露されます。
というか、放棄するまで含めても勝率が高いというのはどういう事なんでしょう。もはや異次元の強さでは?
チェスのルールを知ってる方がいい?
チェスのルールを知らずに見ても十分楽しめると思います。細かいルールは出てこないし、特にチェス自体の魅力を語っている映画ではないですが、もしかしたらよく知っている人なら棋譜を見て楽しめるのかもです。
将棋と動かし方はほぼ同じで、取ったコマを再利用出来ない事くらいだけ知っておけばいいと思います。個人的にはチェスは相当頑張って投了しないイメージもあります。詰んでいても相手のミスを誘って逃げられるかも?と、王が完全にやられるまで動くような。

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こんな本を出したりもしているんですねぇ。
プレイヤーとしてのボビー・フィッシャー
そもそもボビー・フィッシャーの棋譜自体がとても面白い物という話で、lichessというサイトに、神の一手と言われる有名な棋譜がありました。
チェスは素人なので詳しくはわからなかったのですが、逃げる事も可能なタイミングで黒のクイーンがビショップにやられてしまうので、ここが神の一手か!?という感じです。
というか、このサイトのAI解析も凄いですね。勝率がリアルタイムで更新されたり「悪手」や「大悪手」など、本当なのかを若干疑ってしまうのですが、そのくらいチェスは解析済なんでしょうね。なるほど、人間が勝てないわけだ。
ボビー・フィッシャーの時代はまだこんなAIなんていなかったわけですが、当時の棋譜からの推定でも最強の部類だそうで歴代では4位とか。
しかも上位3人は時代が違い、ボビー・フィッシャーの棋譜を全部知っている人達ですから条件が違いすぎます。
そんな人の半生を描いた映画
「自分もユダヤ人なのに反ユダヤ」だったり、とにかく音がするからプレイしたくないと言って試合放棄してみたり、観客をうるさいと感じてたり、盗聴器が仕掛けられていると信じて電話という電話を分解していたりと確実にヤバい人が主人公なんですが、それでもなおチェスが強いという一点突破。魅力ある変人です。
魅力ある変人がどこまで突き抜けていくのかというのは、傍目で見る分には楽しい物だろうし。
ライバル、ボリス・スパスキー
この映画の時代設定は米ソの冷戦中なので、二国間の代理戦争の意味あいもありました。チェスで世界の覇権を握る……どことなく遊戯王やその他のカードゲームのような感覚があります(カードゲームの勝敗が世界の明暗を決める)
ボリス・スパスキーはソ連のチェスプレイヤーで、冷静沈着で超人的な強さを持つ対戦相手として描かれます。ただ、チェスの深い闇はスパスキーをも喰らう……変人と超人がぶつかりあう時、何が起きるのか!
スクリームシリーズに出演しているリーヴ・シュレイバーが演じております。
感想:ゲーマーは変なくらいで丁度いい
チェスや将棋などの完全情報ゲームに強い人は「状況を読んで、次の行動を最善手で決断出来る人」かな?と思っていたのですが、どうもこの映画や他のプレイヤーを見ていると、必ずしもそうではなくて「限られたコマの動きなら、とんでもなく先まで読んで最善手を見つけられる人」のような気がします。
だけど、そういう特殊能力があるから人間としての魅力も出てくるし、チェスをしている間だけ英雄になれるんだったら、それは素晴らしい事だなと……
船長もボードゲームやってる時だけ英雄になれるなら、それでもいいかな?と思うんですけど、変な人として扱われるのはどうなんだろう……あ、既に変な人っていうツッコミはさておきですよ!?
この映画で特に好きなシーンは、ボビーのよき理解者である神父と脳内チェスバトルするところです。
気に入らない事があって爆発しても、脳内チェスバトルを行えば気が紛れていく……チェスは気持ちを落ち着かせる道具でもあるわけですね。
この神父がいなかったらレイキャビクでスパスキーとチェスバトル出来なかったのでは……?
そんなゲーム仲間と出会えているボビー・フィッシャーはラッキーだし、神父様もラッキーで、ハッピーだと思うのでした。
後は見ましょう!
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ちなみにボビー・フィッシャー関係の映画は他にもあって、ボビー・フィッシャーの再来と言われたジョシュ・ウェイツキンを描いた「ボビー・フィッシャーを探して」や「ボビー・フィッシャー 世界と闘った男」などもあります。
「ボビー・フィッシャーを探して」も面白かったのですが、変な人の魅力というのを語りたくて、今回は完全なるチェックメイトをご紹介してみました。
外出自粛で映画も見る時間が多く取れた船長、次回のボードゲーマーの雑学も映画なのか!?待て次回!